REPERTORY ピカソの女たち~オルガ2005年 初演 ■海外公演■ 2006年 ■受賞暦■ 2006年 ガラ・スター大賞受賞 |
■レパートリー■
ブライアン・マキャベラ作『ピカソの女たち』は、天才画家パブロ・ピカソと関係をもった8人の女性たちの独白がオムニバスとして描かれた作品です。
東京演劇集団風は、2005年《ビエンナーレKAZE演劇祭》にて、モルドヴァ共和国 ウジェーヌ・イヨネスコ劇場との共同制作で、「オルガ」(ペトル・ヴトカレウ演出/辻由美子主演)、と「ジャクリーヌ」(ヴィタリエ・ドゥルチェク演出/アラ・メンシコフ主演)二本の作品を上演しました。
辻由美子が演じる『ピカソの女たち~オルガ』は、制作の翌年、ロシアの人形劇場オグニヴォ、イヨネスコ劇場が主宰する「BITEI(ビエンナーレ国際演劇祭)」での招待参加公演を行い、2007年にはルーマニア・バカウ市で行われた、ひとり芝居の国際演劇祭《第2回 ガラ・スター国際演劇祭》に参加、最優秀大賞を受賞しました。
天才画家ピカソの最初の正妻となった、ロシアのバレリーナ オルガ・コクロヴァ。
気品と美貌に恵まれプリマドンナへと登りつめた成功と、時代の先進を行く芸術家ピカソとの結婚、長男パオロの出産。誰よりも幸福と思われた彼女の人生……。
しかし物語は、老いぼれた姿で死後の世界からピカソを罵るオルガの独白から始まります。
数々の女性遍歴で知られるピカソ。オルガはピカソへの愛憎に翻弄された日々を回顧し、過去の成功に思いを馳せます。
当時のジャーナリズムはオルガを「あほで手のつけられない程の頑固さ、病的なまでの愛への依存、嫉妬の病に犯されている」と書きたてています。しかし作者は、彼女は決して教養のない人間ではなかったと記し、ひとりの女性の生き様に目を向けます。
世間に見放され、アルコールに依存し、華々しい成功の果てに、会葬者もなく死んでいったひとりの女性が歩んだ孤独の道とは。
作:
ブライアン・マキャベラ
訳:志賀重仁
演出:ペトル・ヴトカレウ