東京演劇集団風<俳優・スタッフ>入団要項
劇団概要
〈今、なぜ演劇なのか、今の時代、この社会において演劇の為すべきことは何であるか〉という問いのとともに、1987年、東京演劇集団風を創立。
以後、ロシアの作家アントン・チェーホフや20世紀を代表するドイツの亡命作家ベルトルト・ブレヒトの作品を柱に東京での上演活動を展開すると同時に、劇団は「演劇とは真実を語るだけでなく、“社会”や“現実”を批評でき、自分自身も顧みることができる空間だ、それが〈自由を感じられる空間〉である」という想いをもって、青少年を対象とした全国巡演活動も創立以来、意欲的に行ってきました。
1999年、専属の拠点劇場〈レパートリーシアターKAZE〉を建設、年間8~10本のレパートリー作品と新作の上演を行う。
2003年より〈ビエンナーレKAZE 国際演劇祭〉を開催。フランス、ルーマニア、ポーランド、ドイツ、モルドバなど、その地域はヨーロッパにやや偏重しているが、多国間による演劇人、芸術家との交流・共同製作は今なお続いている。
亡命作家マテイ・ヴィスニユック(ルーマニア出身・パリ在住)による劇団のための書き下ろし作品『ジャンヌ・ダルク―イオアナと炎』『ニーナ あるいは剥製にされたカモメの儚さ』の上演や、浅野佳成演出によるブレヒトの『乞食 あるいは 死んだ犬』にフランスの俳優オリビエ・コントとイワナ・クラチュネスク(ルーマニア出身・パリ在住)が出演し、革新的なブレヒト劇を上演、シビウ国際演劇祭(世界三大演劇祭の一つ)に招待されるなど、劇団のレパートリーに新たなブレヒト作品が加わったことなどはその代表的な活動です。
また劇団とモルドバ共和国のペトル・ヴトカレウ(ウジェーヌ・イヨネスコ劇場 芸術監督・演出)とイヨネスコ劇場との共同製作も大きく実を結び、ペトル演出の『ハムレット』は風の代表作の一つと言われるまでになりました。また2009年8月に初演された『ジャンヌ・ダルク―イオアナと炎』は、2011年の上演活動に向けて、その準備を進めています。
さらに海外での招待公演も近年盛んになり、2007年には辻由美子(劇団代表・俳優)が「第2回ガラ・スター国際演劇祭」に参加、グランプリを受賞しています。
2008年には劇団の若手演出家 南雲史成(2007 年入団)演出の『フランクフルトに恋人がいるサックス奏者が語るパンダの物語』(マテイ・ヴィスニユック作)がBITEI 演劇祭・シビウ演劇祭に招待され、そのあとアヴィニョン演劇祭に参加し、俳優の中村滋(2005年入団)を座長に、劇団の若手俳優・演出陣が20ステージのロングラン公演を成し遂げました。“内”に“外”に現代と演劇を模索する新しい実践のための試みが繰り返されています。
なお2009年夏には「矛盾、言語、抵抗 そして希望へ―」と銘打った第4回ビエンナーレKAZE 国際演劇祭を開催、作家マテイ・ヴィスニユックの新作2 本を含む4本の作品を上演しました。
今、東京演劇集団風が模索する演劇。それは“新しい演劇の実践”ではなく、社会とその社会を構築する人々、つまり“現代と演劇の新たな実践のための演劇”の探求です。
| 名称 |
|---|
| 株式会社東京演劇集団風 |
| 劇団員構成 |
| 代表 辻由美子 芸術監督 浅野佳成ほか32名(俳優23名 スタッフ9名) |
| 劇団付帯施設 |
| 専属の拠点劇場〈レパートリーシアターKAZE〉 東京・東中野 月夜野アトリエ演劇工房 群馬県みなかみ町・月夜野 |
拠点劇場〈レパートリーシアターKAZE〉東京・東中野
〈レパートリーシアターKAZE 劇場内観〉東京・東中野
〈アトリエ月夜野演劇工房〉群馬県・月夜野
入団要項
劇団は演劇を学び、将来、舞台芸術に携わりたい人、または入団を希望する人を対象に、下記の要項にて実習生・研究生の募集を行います。
※上の図を参照して「実習生」か「研究生」か希望を述べて、劇団に“応募用紙”をもらってください。
※連絡は電話、またはFAX・郵送でも構いません。直接、劇団に取りに来てもらってもけっこうです。
実習生について
舞台経験の有無は問いません。将来、俳優およびスタッフとして舞台芸術に携わりたい人、入団希望者のための養成・育成のための“実習”です。1~2年(年齢・個人によって違いがあります)の実習期間を経て、その成果を習得した人は、希望により研究生として入団が認められます。
2001年上演、アントン・チェーホフ作『かもめ』 |
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2000年、実習製作発表、宮沢賢治作『狼森と笊森、盗森』 |
| 応募資格 |
|---|
| 15歳以上 |
| 実習期間 |
| 1年ないし2年(年齢・個人によって差があります) |
| 実習および指導方法 |
| 劇団の創造活動に参加し、実践を通して『演劇』を学んでいく―というのが基本的な方針です。 また俳優志望の人には、劇団の演出家・俳優がその指導に当たります。 |
| 主な実習課程 |
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*リーディング *実習発表 *〈動き〉と〈身体〉のためのワークショップ等(発声・演技のための表現の指導もこのワークショップで行います) |
| 募集人員 |
| 若干名 |
研究生について
3年以上の舞台実績がある人、あるいは一定以上の演劇教育を受けた人で、入団を希望する人を対象に募集を行います(俳優およびスタッフ)。
〈3ヵ月の研修期間〉と3年間の研究生としての劇団活動の期間を経て、その実績が認められた人は、劇団員として入団が認められます。
| 応募資格 |
|---|
| 18 歳以上。3 年以上の舞台経験がある者、または高校の演劇科(演劇部を含む)および専門学校、俳優養成所、大学の演劇科で一定の演劇教育を修了した者、およびそれに同等する教育課程を有した者(中途退学者は、その理由か指導者の推薦状を添えてください)。 |
| 活動内容と基本方針 |
| 〈研究生〉の劇団における活動は、劇団員とほぼ同じ活動です。 ◎リーディングや〈動き〉と〈身体〉をテーマとしたワークショップと、上演現場での研修を3ヵ月間行い、その後、劇団の創作活動、上演活動に参加します。 ◎また劇団の演出家・俳優による研究生のためのリーディング発表や作品の上演など、演技や舞台制作のための指導を行うと同時に、劇団の上演活動の実践とゼミナールなどを通して「演劇と社会」「演劇の本質」など、「今、人々にとって演劇とは何か―」を学び実践していくというのが基本的な方針です。 ◎ 3ヵ月間の〈研修期間〉を修了した研究生には、研究費として月額8万円が支給されます。 ◎〈研究生〉は劇団活動に参画し、俳優・スタッフ(演出も含む)として、舞台に携わりたい人の育成を目的としたものです。 |
| 募集人員 |
| 若干名(3名以内) |
2006年上演、ライル・ケスラー作『Touch~孤独から愛へ』 |
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2008年海外公演、マテイ・ヴィスニユック作 |
試験日
| 実習生 |
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試験日:2012年2月11日[土・祝]/12日[日] 試験内容:面接/実技(ワークショップ) |
※詳細は劇団にお問合せください。
| 研究生 |
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<1次試験>:2012年2月25日[土] 内 容:面談 内 容:リーディングおよび実技(スタッフ希望の方は、自身の作品か実績となる資料を持参してください) 2次試験合格者のみ作文を提出してもらい、その上で面接いたします。 3次試験終了後(当日に行います) |
※詳細は劇団にお問合せください。
| 場所 |
|---|
すべて東京演劇集団風〈レパートリーシアターKAZE〉で行います |
※実習生・研究生ともに月謝・実習費などは無料ですが、プロの舞台に立たせるための活動内容です。〈演劇に携わる〉というはっきりとした意志を持ってきてください。
※実習生・研究生ともに原則としてアルバイトは禁じられます。
※なお、劇団の実習生・研究生は舞台俳優・舞台スタッフ育成のためのものです。マスコミ・声優等、いわゆるタレント志望の方を対象とした募集は行っておりませんのでご注意ください。
劇団員について
劇団の運営―創作・上演活動の企画・立案・実行および経営は芸術監督のもと、すべて専属の俳優・スタッフによって行われています。
入団後、〈研究生〉から〈劇団員〉になった人は、芸術監督と専属契約・非専属(フリー契約)の契約を結びます。
専属の俳優・スタッフ(専属契約者)は規定に則して月額一定の給料が支払われます。
非専属の俳優(フリー契約者)は年間50ステージの舞台活動と50ステージのギャランティが保証されます。
サン=テグジュペリ作『星の王子さま』、全国巡回公演の舞台 |
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ベルトルト・ブレヒト 作 「肝っ玉おっ母とその子供たち」 |
東京演劇集団風の主なレパートリー作品
| ベルトルト・ブレヒト |
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| 肝っ玉おっ母とその子供たち―あとから生まれてくる人たちに 三文オペラ マハゴニー市の興亡 乞食 あるいは 死んだ犬 |
| マテイ・ヴィスニユック |
| ジャンヌ・ダルク―イオアナと炎 フランクフルトに恋人がいるサックス奏者が語るパンダの物語 戦場のような女―あるいはボスニア紛争の戦場のような女の性 |
| アントン・チェーホフ |
| かもめ 三人姉妹 |
| サン=テグジュペリ |
| 星の王子さま |
| ライル・ケスラー |
| Touch ~孤独から愛へ |
| 松兼功 |
| ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち |
| ウィリアム・シェイクスピア |
| ハムレット ―to be or not to be |
| ブライアン・マキャベラ |
| ピカソの女たち~オルガ |
レパートリー・システムとは
レパートリー・システム― 一般的にはプロデューサー・システムと対峙させて考えられている。
演劇の上演興行形態の上では、プロデューサー・システムは演目(プログラム)に沿って、個人あるいは団体のプロデューサーがプロジェクトを組み、興行の成績いかんによって上演の期間が決められていく。つまりロングラン興行がプロデューサー・システムの目的とされる。
これに対して、レパートリー・システムは、その劇場を運営する劇団ないしは芸術監督が上演の演目に対する創作意図・上演の内容に責任を持ち、ひとつひとつの演目をレパートリー作品にしていくことが目的とされる。
レパートリーとは〈劇団・演奏家などが、いつでも上演できるように用意してある演目・曲目・上演目録〉〈得意とする種目・領域〉とあるが、レパートリー・システムとは、劇団が繰り返し上演していく中で、その劇団独自のレパートリー作品をつくり出していくためのシステムであると言える。
また、レパートリー・システムについては、次のようにも記されている。
―上演による観客の評価や反響を通じて、上演リストから外される作品もあれば、作品に手を加えられ、磨かれて完成されるものもある。
こうした創造過程の中でレパートリーは生まれることになる。この過程の歩み方、方法をレパートリー・システムと言うのである。このシステムによる劇場は、商業主義的でない、芸術的劇場と考えてよい(平凡社「演劇百科事典・倉林誠一郎」)。
劇団の創造姿勢、意味内容から言ってこのレパートリー・システムによる上演活動がもっとも適切なのであるが、多くの演劇集団が貸し館スタイルに頼らざるを得ない現状の中では、上演活動をレパートリー・システムに移行させていくことは困難であり、劇団が専属の劇場を持たない限り、自明のこととして、レパートリー・システムとロングラン・システムの折衷案の中で上演活動を続けていかなければならないというのが現状である。
上演のシステムが演目と観客に及ぼす影響、レパートリー・システムという上演の在り方が演劇集団(劇団)やそこに所属する俳優・スタッフの潜在的能力を引き出す可能性―つまり1 本1 本の演目を使い捨てることなく、上演を積み重ね、劇団のレパートリー作品にしていこうという意図で1999年、東京・東中野に拠点劇場レパートリーシアターKAZE を建設しました。
柿落としはチェーホフ作『かもめ』とブレヒト作『肝っ玉おっ母とその子供たち』です。『肝っ玉おっ母とその子供たち』は6年間の歳月をかけて、5回の上演を積み重ね、今、青少年のための全国巡演ができるまで育つと同時に、レパートリーシアターKAZE でも上演され続けています。
受賞歴
| 2004年 | 第11回湯浅芳子賞・戯曲上演部門 『肝っ玉おっ母とその子供たち』、『冬』などの舞台成果 |
|---|---|
| 2004年 | 第4回倉林誠一郎記念賞・団体賞 レパートリーシアターの確立を目指し特色ある世界演劇祭を実現した成果 |
| 2004年 | 第11回読売演劇大賞個人賞 辻由美子 『肝っ玉おっ母とその子供たち』『ゴドーを待ちながら』 |
| 2007年 | バコビア市民劇場(ルーマニア・バカウ市)主催 一人芝居の国際大会「第2回ガラ・スター国際演劇祭」に辻由美子が演じる『ピカソの女たち~オルガ』が招待参加、最優秀大賞受賞 |