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 モルドバ/ウジェーヌ・イヨネスコ劇場との共同製作

 『ジャンヌ・ダルク-イオアナと炎』は、芸術監督 浅野佳成が「日本の若い観客のために」と依頼し、それに応えてマテイ・ヴィスニユックが書き下ろした作品です。ウジェーヌ・イヨネスコ劇場との共同製作により、2008年4月にはモルドバでプレミアム公演を行いました。

 放浪役者の一行がやってくる。そして、ジャンヌ・ダルクの物語を始める。
 王太子がランスで戴冠式を行い、イギリス軍をフランスから追い出すようにという〝声〟を聞いた農民の娘、羊飼いの乙女ジャンヌは、神の命じたシノンの街を目指していく。
 王太子との接見で自ら聞いた〝声〟を伝え、騎士の身分となったジャンヌは、オルレアンの戦いに勝利。戴冠式を行う王太子、人々の心を掴むジャンヌ。
 しかし、コンピエーニュ城の戦いでジャン・ルクセンブル公の捕虜となり、さらにはイギリス軍に金で売られてしまう。
 そして、ジャンヌ・ダルクは魔女裁判にかけられ火刑となる。

 演出のペトル・ヴトカレウは今回の公演にあたって、「人を跪かせたり、殺したりはできる。しかし、信念を変えさせることは容易ではない。それがジャンヌという少女だ。しかし、今の世の中はどうだ。たとえば老人がひどい目にあっていても、何も感じない若者たちがいる。それは人間を操作しやすいように社会の問題にフタをしていく国の指導者たちがいるからだ。ジャンヌは勲章のために闘ったわけではない。純粋、そして、利害のない人間存在、そこにジャンヌたるゆえんがある」と語っています。
 《ビエンナーレKAZE演劇祭 2009》にて、『戦場のような女』『フランクフルトに恋人がいるサックス奏者が語るパンダの物語』『年老いたクラウン』とともに本邦初演。今後、風とイヨネスコ劇場それぞれのレパートリーとして展開し、風では中高生を対象とした全国的な巡回公演も視野に入れている作品です。

作:
マテイ・ヴィスニユック
訳:川口覚子
演出:ペトル・ヴトカレウ
舞台美術:
ステラ・ヴレブチュアヌ