桜前線-二〇〇〇キロの旅



春が訪れると日本中が桜の虜になり、誰もが夢中になる。
毎日、観測される桜の成長 。そして春の訪れが告げられると、華やかにライトアップされた夜桜のもとに人々が集まり、 語らい、宴がはじまる。・・・日本の慣わし。

現代社会について、自由について、現代芸術について、共有する課題を見出す継続した交流のなかで、 2007年、オリビエ・コントからなされた提案から「ささやきの詩想レジスタンス-桜前線2000キロの旅」の日仏共同製作は始まりました。

「詩想レジスタンス―桜前線2000キロの旅」では、日本の美と情緒を代表する桜の開花を道標として、桜前線を追いかけながら、公園で、博物館で、カフェで、人々が行き交う空間を舞台に、人々に詩をささやきながら、日本列島を縦断する2000キロの旅を行います。


スケジュール(予定)

4月2日[火] 福岡:福岡市内
4月4日[木] 広島:平和記念公園/岡山:旭川河川敷
4月5日[金] 京都:京都市内
4月6日[土] 愛知:名古屋城
4月7日[日] 東京:東京ミッドタウン
4月9日[火] 福島:福島市内
4月10日[水] 仙台:仙台市内
4月11日[木] 気仙沼:気仙沼市内
4月13日[土] 東京:東京国立博物館
4月14日[日] 東京:アンスティチュ・フランセ東京

パリに立ち上げられた街頭詩劇-"Les Souffleurs commandos poetiques" 詩想レジスタンス“スーフルール”

「人の言葉は人の口から発せられ、人の耳へと伝えられる」というコミュニケーションの原点に立ち返り、フランスの俳優オリビエ・コントは2001年に、“Les Souffleurs commandos poetiques(レ・スーフルール・コマンド・ポエティック/詩想レジスタンス)”という名の一団を結成しました。
詩想レジスタンス“スーフルール”は、俳優、作家、音楽家、ダンサー、あらゆるジャンルのアーティストによって構成されています。 彼らは公園に、市場や劇場に、駅の喧騒のなかに突然現れ、ウグイス(ロシニョル Le Rossignols)と呼ばれる管を用いて、人々の耳に詩や哲学、文学をささやきます。

「現代の社会は大事なことを考える暇がない。私たちの使命は、人間の、人生の時間をちょっと変えること」とオリビエ・コントは話します。

あらゆるものが商品化され、情報も、人との関係でさえもめまぐるしく消費されていく現代社会にあって、詩想レジスタンス“スーフルール”は「世界の動きを減速させる」目的を持って、人々の耳に「人間の言葉」をささやきます。 彼らが「ささやき」に意味を置くのは、それが人と人による、最も親密で優しさを持ったコミュニケーションだと考えるからです。



詩想レジスタンス“スーフルール”の活動について

詩想レジスタンス“スーフルール”は、2001年3月、パリの「書物展示会」において初めての公演を行い、以降フランス各地の公園、市場、劇場などで、300回を超える活動を行っています。2006年、フランス大使館とメキシコ地下鉄によって招聘され、フランスとメキシコの詩をスペイン語で地下鉄の利用者にささやきました。2007年には、ローマの「ノッテ・ビアンカ(白い夜)」と、パリの「ニュイ・ブロンシュ(白い夜)」のために、8カ国語(フランス語、英語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、ドイツ語、日本語、アラビア語)で公演しました。また、2008年には、シリア、ヨルダン、パレスチナ自治区、イスラエルへの中東ツアーを実現させました。