作:ライル・ケスラー 訳:吉田美枝
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『Touch〜孤独から愛へ』(原題『孤児たち』)は、1985年シカゴで初演され、同年5月にニューヨークのオフブロードウェイでも上演して絶賛を浴びた作品で、87年には映画化もされています。

舞台はアメリカ北フィラデルフィアの下町にあるアパートの一室。登場人物は2人の兄弟の孤児と1人の初老の紳士。恐喝で日銭の生活費を稼ぐ兄のトリート。弟フィリップはアレルギーから一歩も外出することができません。そんな2人の生活の中に、ある日酒に酔った紳士ハロルドが訪れます。

ハロルドとの出会いによって大きく変化していく2人の生活。傷つくことを恐れ、強がり、影響を受けながらもハロルドに心を開こうとしない兄と、見守られていることの安らぎに身をゆだね次第に自立していく弟。彼らの姿は、男女を問わず多かれ少なかれ現代の若者たち(あるいは大人たち)に通ずる部分があるのではないでしょうか。

『Touch〜孤独から愛へ』は、《触れる》ことを通して、生きる勇気を見出していく、人間の生命の輝きの物語です。

演出:浅野佳成
装置:水野統夫
音楽:八幡茂
照明:坂野貢也
効果:深川定次
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作者ライル・ケスラー氏の来日
2001年7月、東京 東中野のレパートリーシアターKAZEで行なわれた『孤児たち』(『Touch 孤独から愛へ』)の公演のために、作者ライル・ケスラー氏とマーガレット夫人が日本に初来日されました。
公演最終日にはケスラー氏の講演会が行なわれ、自身の創作、『孤児たち』を書き上げるまでの経過やエピソードなどについてふれながら、風の公演に対しては「今までアメリカをはじめとする各地でこの作品は上演されてきたが、今回観た『孤児たち』は私のイメージに一番近い作品だった。」と感想を語りました。
講演会の後半には、マーガレット夫人とケスラ−氏がライフワークとして行なっているイマジネーション・ワークショップについての話がされ、会場に集まった方々や出演者も共に参加。2人が芝居の要素を取り入れながら各地の病院、学校などで行なっているワークショップを体験しました。

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ケスラー氏講演会
高校生の臭覚

『touch』は、1992年の初ツアー以来、500ステージを超える学校公演を続けてきた、「風」のロングランのひとつです。
北海道から九州まで、さまざまな高校生たちと出会ってきました。
『touch』のなかには、いくつかの別れと出会いがあると思います。高校生の彼らはトリート、フィリップ、ハロルドの別れと出会いのなかに、自分自身の見たいと願う風景を見つけている。それはストーリーの展開ではなく、人そのものが持つおかしみや希望といった、人に対する臭覚ではないでしょうか。そんな臭覚を持って舞台を見つめているのだと思います。
そして、ハロルドの死を受け止めたときにはじめて自分自身と出会うとリートの姿に、自分を重ね合わせたり反発したりしながら、自分自身を見つめている。鏡のようにして、もしくはスプリングボードのようにして自分自身を見つめているのだと思います。そうゆう交流が僕を励ましてくれました。
今ツアーが始まって、その臭覚がますます強くなってきている気がしています。
大切なのは、彼らの臭覚に耐えられる「身体」を持っているかということだと思います。

(フィリップ役 柳瀬太一)
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