1930年代、ナチス・ドイツの政権下。あらゆる階層の一般家庭内に、恐怖政治がどのような形で不安を呼び起こしていくのかを描いた全24話のオムニバス。その中から、翻訳の岩淵達治氏の演出により、スライド、ユダヤ淫売マリー・ザンダースのバラッドなどを加えて10話を抜粋しての上演。
家庭内の他愛のない口喧嘩から、政府への批判をヒットラー・ユーゲントの子供に聞かれたのではないかと思い込む妻、悪戦苦闘する夫婦の姿を描いた「スパイ」。ユダヤ人の妻を持ったブルジョア家庭の、夫と妻の決別を描いた「ユダヤ人種の妻」など。
恐怖はやがて隣人、家族、同士などへの不信感を生み出していく。