旅公演日記

旅公演日記2008秋

星の王子さま Le Petit Prince

作:サン=テグジュペリ●構成・演出:浅野佳成/北海道・東北地方

<キャスト>
王子: 白根有子
飛行士: 緒方一則
ヘビ: 酒井宗親
花: 仲村三千代/渋谷愛
キツネ: 工藤順子
星の住人: 栗山友彦/鈴木亮平
バオバブ: 車宗洸/磯矢拓麻

肝っ玉おっ母とその子供たち

作:ベルトルト・ブレヒト●演出:浅野佳成/九州・関東地方

<キャスト>
肝っ玉: 辻由美子
料理人: 柳瀬太一
従軍牧師: 中村滋/田中悟
イヴェット: 渋谷愛/柴崎美納
アイリフ: 佐野準/
鈴木亮平(劇団 芋屋)
スイスチーズ: 栗山友彦/佐藤勇太
カトリン: 稲葉礼恵/白根有子
徴兵係・書記ほか: 白石圭司
曹長・兵士ほか: 高橋征也(劇団 芋屋)

Touch~孤独から愛へ

作:ライル・ケスラー●演出:浅野佳成/関東・東北・甲信越・関西・中国地方ほか

<キャスト>
トリート: 緒方一則
フィリップ: 佐藤勇太
ハロルド: 酒井宗親

創り続けるレパートリー
2008/12/24
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早いもので、12月を迎えた『肝っ玉』の九州ツアー。

12月一週目は佐世保から始まりましたが週の終わりには雪がちらついていました。
そして、この旅二回目の一般公演が12月6日に福岡で行われました。
色々な方が観に来てくれましたが、特に印象に残っているのが以前に学校公演で『肝っ玉』を観た生徒達が会場に足を運んでくれたことでした。
高校生もいれば、2年前の九州ツアーで観たという大学生もいました。
もちろん風の『肝っ玉』という作品に強い印象を受けていた彼等ですが、「2年前とはまた違った印象を受け、それもまた面白かった」という感想も聞こえました。

旅の中で常に創り続けているレパートリー…出会っていく若い観客達にとって十年後、あるいは数十年後にも感性を揺らす何かが宿っていっているのかもしれません。


佐野準
客席との交流
2008/12/11
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今週は東京・福生市民会館での一般公演から、京都・大阪・山口県へと移動しての6ステージの公演でした。全国的な寒波の到来で、山口では初雪にも降られましたが、旅班一行は元気に各地を駆けめぐりました。寒い日の体育館公演は客席も大変ですが、みなさんとても熱中してくれ、心温まる公演となりました。

福生市での公演は小学生も親子でたくさん観に来てくれました。この芝居、二時間の上演時間で小学生には難しいのでは?という意見もあるなか、最後まで客席と共に芝居が創れたと感じられる舞台でした。終演後、きっと家にもどってから、お父さんやお母さんと今日の芝居のことについてたくさんの話が交わされたことでしょう。
演劇は一回性の生ものだといわれます。今の時代は大量の情報が様々なメディアを使って一瞬にして届けられる便利な社会です。しかし、そこでは伝わらないものが逆にはっきりしてきています。人が生きていくなかには、たくさんの経験と思い出があり、そのことを支えに自分自身や、今の世界について考えていく。その経験と思い出の場が、これからの社会では少しずつ削り取られていくような気がしています。
演劇の持つ可能性とは、直接的に時間と空間を共有して、感じ合えることのなかに生まれます。そして観劇後、家族や友だちとの間でたくさんの会話がおこってくることを私たちは期待しています。テーマやストーリーに先立つ演劇の面白さというものが、この一回性にたくさん秘められているのだと感じます。たぶんそれを伝えたくて、私たちは旅を続けているのでしょう。

旅公演もいよいよ終盤。
今週もたくさんの出会いがありました。たくさんの励ましの言葉も、生徒さんからいただきました。この思い出を大切に、明日からもみんなで頑張ります。
そして、子どもたちの心にこれから先『Touch』の思い出が蘇ってくることを楽しみにしています。 


緒方 一則
旅の途中
2008/12/11

はじめまして。
Touchの旅公演にスタッフで参加している磯矢と申します。
今日は、ちょっと趣向を変えて本番前、本番後などの裏方の話を紹介したいと思います。

全国の何百、何千という学校や会館を少ない人数の旅編成で公演しています。そのため、
搬入‐設営(準備)や撤去‐搬出(後片付け)のときなど、効率のよいように各自それぞれに役割があります。

簡単に説明すると
例えば設営ですと、みんなでトラックから舞台装置などを中に運び込んだあと、音響、照明、装置、小道具、衣裳などに別れて作業をします。
撤去のときはその作業の逆をする訳ですが、体育館公演のときは仮設の舞台を設営するための資材が多く、運び込んだ物の量も倍くらいになっています。

少し細かく紹介しますと
作業には「崩し」「送り」「運び」「積み込み」というのがあり
簡単に言うと、
物を分解する人、分解された物を順番に運び出すのを指示する人、指示された物を運ぶ人、運ばれた物をトラックに積み込む人、ですね。
生徒さんたちには主に「運び」を手伝ってもらったりしてます。

僕は「送り」の仕事をまかされています。
今旅中、体育館での公演のときに館内で「手のあいてる生徒さんはこっち手伝ってくださーい」なんてでかい声で運び物を頼みまくってる人がいたなら、それは恐らく私です(みんなどうもありがとう(T_T))。

その仕事でずっとね、考えていたことがあるのです。
例えば寒いなか、はたまた暑いなか、2時間くらい座って芝居に集中してくれた生徒さんが、終演後にとても積極的で、元気にお手伝いに参加してくれる姿です。
それも生半可な作業ではなく、大人でも大変な重量物だったり、身の丈を軽く越える大きな物を日の沈むまで運ぶ重労働ですよ。

そんなある日、
搬出が終わったあとにこんなお言葉を頂きました
「後片付け一緒に出来て、嬉しかったです。」
「舞台が出来ていく過程を見られて、わくわくしました。」
「役者さん以外にも、裏でこんなに支えている人がいるんですね。」
「将来芝居の世界で働きたくて、今日はいい経験になりました。」

ほかにもたくさんです。
嬉しい限りです。

学校公演は自分でお金を払って劇場に足を運ぶという演劇の世界とは違います。
生徒さんのために、生徒さんたちと一緒になって創る舞台です。
本番が終わって「あー楽しかった」、「さようなら」だけではなく
準備から後片付けまでの過程を通して、演劇に触れる機会も大切な経験となると思います。
こちらも、一緒に創ろうという気持ちで望むことが大切なのだ、ということが最近になってやっとわかってきた気がします。
というか生徒さんたちに教えてもらいました(^^ゞ。

その気持ちを忘れないで残りの公演も頑張っていきたいと思います。
手伝ってくれた先生方、生徒さん方、本当に本当にどうもありがとうございました。


磯矢 拓麻
「旅も7週目」
2008/12/11
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この「Touch」の旅も終盤。
今週は一度東京に戻り、2日間の稽古を経ての公演に臨みました。
川口市立川口高校の公演。場所は川口市民会館。
当日は朝から演劇部の生徒さんたちが舞台の仕込み見学がありました。
また、その際に将来音響の仕事に就きたいという生徒と出会いました。彼に作業を一つ一つ説明しながら一緒に音響機材を設置していきました。彼は私の言葉や動きを食い入る様に見つめています。本番も音響オペレーターの隣で観劇。公演終了後の撤収作業(バラシ)も手伝ってもらいました。
彼にはこの体験がどんな形で残っているのでしょう。何かの足しになれたのでしょうか。

公演を終えると、いつもその日一日を省みます。
彼らと共に公演を創りあげられたのか、彼らの心に触れる事が出来たのか。
観劇したすべての人にメッセージが伝わったのか。
接する事が出来た生徒さん一人一人の表情を見ると、「今日も良い公演になったのかな」と改めて実感出来ます。
客席に力を貰いながら、また新しい客席に臨んでいく。そんなサイクルを楽しみながら、我々の姿勢を提示していけたら、と思っています。
来週は鳥取県での一般公演です。


渡辺 雄亮
共有と対話の中で
2008/12/09
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11月17日から21日までの5日間。
生徒数が毎日変化していく中、幕が開くと生徒たちの熱心な観劇の雰囲気に思わずグッと力が入ってしまう、そんな公演であった。
今週は17日に鹿児島県甲陵高校、20日に福岡県八幡市民会館で折尾愛真高校、21日に佐賀県の嬉野高校の3公演でした。どの生徒も熱心に観劇しているという印象を強く感じました、これは学校側関係者方々が、その場に我々役者、スタッフと共に一緒にその場の雰囲気をつくっている。皆がこの舞台のことにとても集中しているのでそう感じたのだと思います。
今回アイリフを演じている中で個人的にも満足感を得ることができているのは皆さんと意識的なつながりを共有することができているからだと思います。


鈴木亮平