旅公演日記

旅公演日記2007秋

星の王子さま Le Petit Prince

作:サン=テグジュペリ●構成・演出:浅野佳成/東北・関東・関西・中国地方ほか

<キャスト>
王子: 白根有子
飛行士: 中村滋
ヘビ: 高橋征也
花: 仲村三千代
キツネ: 工藤順子
星の住人: 栗山友彦
バオバブ 遠山昌司/磯矢拓麻

ハムレット~To be or not to be~

作:W.シェイクスピア●演出:ペトル・ヴトカレウ、浅野佳成/九州地方

<キャスト>
ハムレット: 緒方一則
クローディアス: 柳瀬太一
ガートルード: 柴崎美納
ポローニアス: 酒井宗親
オフィーリア: 稲葉礼恵
レアティーズ: 佐野準
ホレーシオ: 田中賢一/田中悟
子供たち・旅役者ほか: 白石圭司
旅役者・墓堀りほか: 佐藤勇太
大人たち・旅役者ほか: 清水菜穂子

九州公演、千秋楽。
2007/12/29

『ハムレット』の旅公演もいよいよ大詰め。
17日(月)は鹿児島県の頴娃高校の公演。去年『肝っ玉』を上演した学校で、2、3年生は2年続けて「風」の芝居を観ることになる。ホールを使っての公演だったが、バラシの手伝いに多くの生徒たちが手伝ってくれ、声をかけてきた。
18日(火)は谷山中学校。今ツアー最後の体育館公演だ。『ハムレット』の体育館公演上演はこれで最後かと思うと、やりとげたという充足感と、安堵感、ちょっぴりのさみしさで、思わず力が入りそうになる。
19日(水)、いよいよ千秋楽。玉名女子高校は定期的に「風」の芝居を取り上げてくれる。「楽しみに待っていました」という生徒たちの熱い反響の中で千秋楽を終えた。

80日間に及ぶ長いツアーのなかで、49回の公演を終えたこの『ハムレット』の旅は若い観客たちと、舞台と客席の境をこえて「To be or not to be」をやりとりした旅だったのではないだろうか。
それが僕たちの悦びだ。
あとはー。
さあ、いよいよ東京での凱旋公演だ。


柳瀬太一
若い彼らと共に
2007/12/29

ハムレットツアーもいよいよラスト2週目を迎え、九州も日増しに寒さが厳しくなってきました。

今週も蒲生高校(鹿児島)・古賀高校(福岡)・鹿屋女子高校(鹿児島)・天草工業高校(熊本)・三池工業高校(福岡)とハムレット班は九州を駆け巡りました。それぞれの公演が思い出に残るものでした。

先日、座長の柳瀬太一からこんな話を聞いた。
「体育館でも会館でも上演後の撤去が終わり、ふと眺めた時にもの哀しさを感じる。ついさっきまで劇場であった空間が、まるで嘘だったかのようにまっさらになってしまうから。」

この言葉から改めて2ヶ月間を振り返ってみると、沢山の思い出に反して本当に短い期間だったように感じる。確かなことは、どの公演でも、若い彼らとに共に劇場に命を吹き込めたことだ。

共に『ハムレット』を創造した彼らの中には、何もなかったかのように元に戻った体育館を観て「もの哀しさ」を感じた人もいたことだろう。

目に見える足跡が消えたとしても、彼らの心の中にはっきりと『足跡』が残ってくれれば、これほど嬉しいことはない。

ツアーステージも残り3ステージ、彼らの中にどのような『足跡』を残すのか、新しい出会いが待ち遠しく思う。


佐野準
旅も、いよいよ終盤
2007/12/16
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 今週の4ステージは全て体育館での公演です。
 12月3日、鹿児島県霧島市の福山高校での公演。昨夜からの雨が朝になってもシトシト降って、気持ちもどんよりしたまま学校へ…。ところが天は我らに味方した!搬入を始める頃には雨はピタリと止んで、快暢な滑り出し!搬出を手伝ってくれた野球部、サッカー部、その他の皆さんも活気に溢れ、とても爽やかな一日になりました。天と人に感謝!
 12月6日、開門橋を渡り下関、早鞆高校での公演。今回のツアー中、1ステージだけの本州での公演です。KAZEの公演は初めてで、先生も生徒さん達も、学校中が来校を待っていてくれました。そして本番を終えてー、搬出の手伝いに体育館にかけつけて来て下さった先生方や生徒さんたちの表情がとても良い!(この日だけに限りませんが)役者やスタッフと一緒に舞台をバラしながら、芝居の余韻を楽しんでいるかのよう。劇団のメンバーも、彼らと接しながら皆いい顔してる!体育館公演ならではの良さが、ここにありました。
 12月7日、再び九州へー。鹿児島の吹上高校。ここは過去4回KAZEの公演があり、2年生と3年生は昨年『肝っ玉おっ母とその子供たち』を観てくれています。『ハムレット』の出演者11人のうち6人が『肝っ玉』にも出ていたのですから、特別な思いがあるのでしょう。くい入るように舞台を見つめるまなざしに熱いものを感じました。
 12月8日、神村学園での公演。この学校もKAZE創立以来、学校公演の全てのレパートリーを、過去7回観ていただいています。昨年に続き、小・中・高校生の皆さん1100人が一堂に会しての体育館公演。私は昨年、生徒の皆さんといっしょに客席に居て、『肝っ玉』を観ましたが、最前列の小学生の児童の反応の良さにびっくりさせられた記憶があります。今回もおよそ2時間半という長時間、集中力を絶やさずに舞台を見つめてくれている皆さんのキラキラ輝く顔を見る幸せを、つくづく感じました。カーテンコールでの「お礼のことば」も良かった!観終わった後の率直な感想が、体育館に居合わせたみんなの心を和ませてくれました。
 
 今週も観客の皆さんに支えられて、たくさんの元気をもらうことが出来ました。
 旅もいよいよ終盤に向かいます。一回一回「このままでいいのか、いけないのか」と自らに問い続けながら、舞台と客席の刻々の交感を楽しみたいと思っています。


酒井宗親
『星の王子さま』後半戦–生徒たちの笑顔との出会い
2007/12/15
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日本全国に寒波が到来する中、今週は暖かい高知県からスタートです。
安芸中学校・安芸高校に到着すると、沢山の生徒さんたちがお出迎え!みんなで2階にある体育館に搬入をしました。
海に面した校舎で、太陽の光が降り注ぐ中、生徒さんたちの笑顔が一際輝いていました。
翌日は岡山県 高梁日新高校、山に囲まれたところです。学校は武家屋敷が囲み、時代を感じる町並みの中にありました。
全寮制の学校で、全国各地から生徒さんは集まっているそうです。撤去の手伝いを門限ぎりぎりまでしてくれたなかで、色々な話ができ、交流を持てて良かったと思います。
旅班は東へ、東京を過ぎ、茨城県岩井高校へ。
公演終了後に生徒さんが、王子役白根に
「王子頑張れ!」「面白かったー」
と声をかけてくれる中で、
「また観れて良かった。」
と言う声がありました。そう、2年前の文化庁公演で挿入歌「僕のたびは続く」を一緒に歌った生徒さんたちでした。
旅公演の中で、こうした再会はとても嬉しいです。
全国各地を廻り、若者とふれあうなかで、彼らの笑顔は変わらない、と思うことがあります。
時代が変わりゆくなかで、われわれ大人が彼らに向かい、どのような未来のヴィジョンを見せていけるか、それが課題です。
来週は再び文化庁公演へ突入!


長谷川敬久
ハムレット、気持ちも新たに旅後半。
2007/12/11
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旅公演も中日を過ぎたところで連休を挟み、気持ちも新たに迎えた週となりました。

今週の公演で印象に残ったことのひとつとして、開演前に、先生が生徒に話した言葉があります。
「演劇は、演じる側と観る側が一体となって成り立つもの。笑いたいところで笑えばいいし、真剣に観るところだと思えばしっかり観る。この劇にはどんなメッセージがあるのか自分なりに感じてみて下さい。」
初めて舞台を観る生徒も少なくない中での先生の言葉だと思いますが、自分なりに好きに感じる、その感覚と創造力こそ舞台を盛り上げる力だと実感します。

ホレーシオを演じる上で、僕は特にラストシーンではハムレットと客席の空気に集中します。その力を受け取って最後の台詞に繋げて演じています。
この日の公演は、まさに舞台と客席が互いに“何か”を交換し、客席の力を感じた公演でした。
また、例え今は分からないことがあったとしても、受け取ったそれぞれの“何か”が、生徒たちにとって、これから先の、自分達の未来へと残るメッセージになることを願っています。


田中悟