旅公演日記

旅公演日記2006春

星の王子さま Le Petit Prince

作:サン=テグジュペリ●演出:浅野佳成/関東・東北・甲信越地方

<キャスト>
王子: 白根有子
飛行士: 緒方一則
ヘビ: 酒井宗親
キツネ: 工藤順子
花: 高山真奈美/仲村三千代
星の住人: 栗山友彦/田中悟/田中賢一

ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち

作:松兼功●演出:浅野佳成/東海・関西・中国・四国地方

<キャスト>
ヘレン・ケラー: 稲葉礼恵
アニー・サリバン: 柴崎美納
アーサー・ケラー: 坂牧明/近藤隼(劇団芋屋)
ケート・ケラー: 保角淳子
ジェイムス・ケラー: 白石圭司
アナグノス: 柳瀬太一
ビニー: 清水菜穂子
パーシー: 中村滋/佐藤勇太

『星の王子さま』春のツアー千秋楽。
2006/07/27
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7月19日、『星の王子さま』旅班も東京・福生市民会館にて今旅の千秋楽を終えました。石川県から東京、群馬と公演し、再び東京で迎えたラストステージでした。
今回も何万人という高校生、中学生の前で演じられ、私自身1400回を越える公演を続けてきた『星の王子さま』という作品の奥深さを実感させられる旅でもありました。
開演前、集まった生徒さんたちにかけられる先生の言葉に、
「舞台で演じるのは役者さんですが、君たちがどう見るか、何を感じるか、君たちの見方も舞台に関わっています。ぜひよく見て、たくさんのことを感じてください。」
という言葉がありました。また終演後には、
「今日は君たち、本当によく見てくれた。役者さんにも拍手を贈りたいが、君たちにも拍手したい。」
と言ってくださる先生もいらっしゃいました。
舞台は1度きり。共につくるもの。
舞台と客席の間にも目に見えない何かがはたらいていると思うと、また改めてこの作品のテーマが考えさせられました。
約2ヶ月の旅公演を終え、2つの旅班は東京で合流。休む間もなく『ハムレット』の稽古へ。課題を持ちながら、私たちの若い世代へのメッセージが今後さらに強く、深くなるよう励んでいきたいと思います。
ご助力くださった学校、先生、また生徒の皆さん、本当にありがとうございました!
★写真は千秋楽の舞台から。


千秋楽です!
2006/07/22
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『ヘレン・ケラーひびき合うものたち』の千秋楽は、横浜市鶴見会館での「盲ろう者も利用できる作業所設立準備委員会」主催による公演でした。今回風に公演の話をもちかけてくれたのは、『ヘレン・ケラー』初演当時にヘレン役をやっていた柴崎美納が出会った、ヘレンと同じ障害を持った少女・貝島麗奈さんのご家族でした。
風のヘレン・ケラーの原点とも言うべき人々と創る公演です。
会場には約600人のお客様がご来場下さり、盲ろう者の方もおおぜいいらっしゃいました。字幕と手話通訳を入れての公演。手話の方々の表情豊かな演技には、劇団員も驚かされました。
客席の熱いまなざしに支えられ、会場の皆の心がつながるような良い公演を創ることができました。
会館には朝からヘレン班以外の劇団員も応援にかけつけてくれ、開演前の、盲ろう者の方々が舞台に触れるワークショップなど様々な試みが実現しました。

毎日その日の客席としっかり向き合い、その瞬間にしかない出来事を創り出していくことにこだわってきた2ヶ月の旅公演でした。
一緒に公演を創ってくれた観客席のすべての皆さんに、ありがとうございました。

★写真は千秋楽の公演後の舞台で、お客様と実行委員の皆さんと劇団員。


西日本の旅、最後の週
2006/07/22
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5月下旬から始まった『ヘレン・ケラーひびき合うものたち』のツアーは、西日本での最終週を迎えました。
7月10日豊川高校(愛知)、12日鶴見商業高校(大阪)、13日東陽中学校(大阪)、14日武庫川女子大学附属中学・高校の4校6ステージの公演。
学校の講堂での公演もあり、大きい会場が続きました。客席の一番後ろまで届くようにと意識して本番に臨みます。

今回の旅公演で出会った先生方の中には、長年風を見続けてくれている先生や、風創立当時の公演『ハムレット』が印象深く、風の芝居をまたやりたいと思い続けてくれていた先生もいらっしゃり、「今回の公演はテーマがとても身近でした」という感想もいただきました。
ヘレン・ケラーとアニー・サリバンの出会いに、学校の教育現場と共通した問題を見て下さったのではないかと思います。
子供と大人の間にいる中学・高校生は、自分らしく自由に生きたいという欲求と、今の現実の中での自分の能力や人間関係のはざまで様々に迷い、考えているのではないでしょうか。ヘレンやジミーやパーシーやアニーが大人たちの世界とぶつかり、すれ違いもしながら人と、生きる喜びと出会っていく姿が、若い観客の皆さんを少しでも勇気づけることができればと願っています。

15日に帰京した旅班は公演を観てくれた学校から送られた、たくさんの感想文やメッセージを受け取りました。ありがとうございます!

☆写真は鶴見商業高校の演劇部のみなさんと。


ヘレン・ケラー、いよいよラストスパート!
2006/07/22
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2006年春の西日本旅公演、いよいよラストスパートにさしかかろうとしています。
7月からは、アーサー・ケラーを近藤隼→坂牧明、パーシィを中村滋→佐藤勇太にチェンジし、気持ち新たに出発しました!
今週は園部中学校→恵那北高校→白川高校を巡演しました。
今年入団した僕にとっては初めての旅公演。どんな出会いが待っているのか、ドキドキワクワクでした。
演劇を見るのは初めてであろう生徒たちとどういった発見をし、一緒に創っていけるのだろうと正直不安もあったけれど、実際舞台に立って演じて、観客と舞台が劇場という空間、時間を一緒に過ごすことでお互いに何を発見し、出会っていくのかは一回一回、ひとりひとり違うけれど、そのときしかできないモノを共有できたことは素敵なことだと思いました。
生徒ひとりひとりとは話せないので、実際にそれぞれが何を観て、何を感じたのかはわからないけれど、いい空間、時間を一緒に創れたし、過ごせたと思います。

僕たちはまた新たな出会いを求めて走り続けます。

☆写真は恵那北高校、生徒会役員のメンバーと。


旅公演もいよいよ終盤。
2006/07/12
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今週は石川県の公演から始まりました。石川の文化教室での風の公演は初めてです。『星の王子さま』がいったいどんな風に石川県の高校生に受け止めてもらえるのか?そんな不安と緊張のなか、4ステージの公演を終えました。この地域の演劇鑑賞行事の歴史は古く、各学校もとても楽しみに、そして大切にして、これまで育んでこられた行事です。舞台としっかり向き合ってくれた高校生の視線が大変印象的でした。

4ステージめの金沢学院東高校の生徒会長さんから、最後に素敵なお礼の言葉をいただきました。「当たり前のことを当たり前なこととしてしっかりと受け止められること。感じられること。その気持ちをいつまでも持ち続けられることの大切さ」。 忙しい日常の中で、ついつい見過ごしがちな小さなものの中に、大事なエッセンスがたくさんあることを忘れないでという『星の王子さま』のメッセージを正面から受け止めてくれたことに、旅班一同感激しました。

石川の皆さん、私たちにとって、初めてのこの地での公演は思い出深いものとなりましたよ。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

今春の『星の王子さま』公演もあと5ステージ。一回ごとの出会いを楽しみに、頑張ります。

★写真は福島県・桜の聖母学院、今旅最後の体育館で、撤去作業を手伝ってくれた生徒さんたちと。


旅は折り返しの週。
2006/07/12
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5月下旬にスタートした旅公演も中日を過ぎ、それを機にここまでの公演を振り返り、気持ちも新たに折り返しの週となりました。

6月下旬、梅雨只中の体育館。熱気と湿気の籠もる中、生徒はどう観るだろうか。そんなことを気に掛けながら開演を待っていました。いよいよ開演のベルが鳴り、暗転。生徒たちのざわめき、音楽、照明が入り一転して静寂。客席の空気が一瞬にして変わる。そこには、これから何が起こるのかと、生徒一人一人が創りだす空気と、空間が存在していました。
上演中、何度か幕間から生徒達の様子を伺いましたが、私の心配もよそに、2時間近い上演時間の中、集中して観る生徒の姿が印象に残りました。

また、観劇後、ある先生の感想から「今日は生徒が集中して観ていたので、一人一人、自分なりに感じることがあっただろうと思う。たとえ今、解らないことがあったとしても、何かの機会に気付いたり、思い出したり、これから徐々に解ってくれたらいいと思う。」というお話を伺いました。
私はその先生の言葉には生徒への暖かい想いが込められていると感じました。今しか感じられないことと、今だから感じられること。ということがあるように、生徒の皆さんには、今日の舞台を観て“何か”感じたことがあると思います。
それが種として心に残って、いつか芽が出ることを願っています。

旅班は、今週は岩手県に始まり、青森→新潟→神奈川県と公演。写真は、新潟県・西新発田高校体育館で。


中日を終えて、旅後半へ。
2006/07/09
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2006年春の「星の王子さま」公演の旅も、早くも後盤に差し掛かりました。
世界中で読み継がれている、大ベストセラー「星の王子さま」。その作品を舞台で演じ、また現代の中・高校生たちの前で演じるとはどういうことなのか。模索しながらの公演が、一日、また一日と続いています。

ひとつの公演をつくるためには、様々な要素が重なり合っています。
客席の反応や視線、俳優の状態、体育館や会館の条件などなど…。劇団と学校が、お互いに、公演のためにかけてきた時間を経て、上演は約2時間弱。「舞台は生きもの」。その生きものの鼓動の波に乗って、客席と舞台の交流の一瞬を探したいと願う毎日です。

今週は、6月19日東京・京華中学、高校の公演から始まり、群馬県、秋田県という旅。元気な反応があったり、またじっと見入る客席であったり、学校によって反応はさまざまでした。また、公演後生徒さんにお手伝いいただきながら、見終わった後の生徒さんたちの表情を見て、ホッとする毎日です。

旅班は秋田県から岩手県・宮古市へ移動。旅はまだまだ続きます。

★写真は、6月22日秋田県・花輪高校で公演後に撤去作業を手伝ってくれている生徒さんたち。


真夏日が続く旅。
2006/07/08
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『ヘレン・ケラー』旅班は真夏日の続く西日本で、元気に旅を続けています。大阪・関西大倉学園に始まった今週は、梅花高校(大阪)、関西中央高校(奈良県)、久世中学校(岡山県)など、『星の王子さま』や『Touch~孤独から愛へ』も含め2度、3度と上演してきた学校が続き、前回公演の生徒さんや先生の顔、様々な出来事が思い起こされる週となりました。

また今回初めて上演した勝山中学校からは、さっそく生徒さんの感想が届きました。「あきらめない」ことや「可能性を信じる」こと、「ヘレンやサリバン先生の一生懸命な姿が心に残った」という感想が多くありました。
「あきらめない」ことは、座談会でも度々生徒さんの話題にあがります。人生の扉をひとつずつ開いていく10代の彼ら、彼女たちが、「強くたくましく立ち上がる」ことを、サリバン先生さながら願います。
先生方からは、「何でもやりたい放題やらせておくのは、あの子に対しての裏切りだ」というサリバン先生の言葉が印象に残ったと、この旅ではよく言われます。個性を尊重することと、いけないことをいけないと教えること。生徒との関わりの中で揺れ動き、教師の使命を模索する先生の姿を感じます。

旅はこの後一時帰京。7月3日に再出発し、残すところ10ステージの公演です。
★写真は関西中央高校。座談会に残ってくれた生徒さんたちと。


『ヘレン・ケラー』三週めです
2006/07/08
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ヘレンケラーの春の旅公演もちょうど半分が終わりました。
今週は横田高校、平田高校、松江工業高校、京都女子高校で公演を行いました。 
舞台を真剣に見ていた学生が、舞台装置の搬出を手伝ってくれる。そんな姿を見ていると一つの舞台を劇団員と高校生で作り上げていると実感します。
 
これまで出会ってきた生徒のみなさんと、これから出会う生徒のみなさんにとって楽しい観劇のなかに何が残せるのか。
残り少なくなっていく公演数のなかで、常にお互いを高め合える関係に段々となってきていると感じます。

写真は横田高校の生徒さんたちと、座談会でのショット!


『星の王子さま』旅班、4週目に突入!
2006/06/19
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梅雨の季節に入りましたが、大雨の時は殆んどバス移動中。搬入時も搬出時も、天候に恵まれた一週間でした。
6月12日(月)は秋田県横手市の増田高校体育館での公演。開演時は雨雲が立ち込め、間もなく、ポツリ、ポツリと降り始めたのに、終演時にはうそのような晴天!搬出を手伝ってくれたバレー部、バスケット部の諸君もカラッと明るくて、元気一杯。清清しさが印象に残りました。
翌13日(火)は、秋田県民会館に於て、金足農業高校の生徒の皆さんたちが観劇。集中した良い客席でした。(終演後に新聞部のインタビューもあり、その様子は“風のブログ”を参照してください。)
14日(水)、宮城県の鴬沢工業高校体育館。200人程の少ない観客席でしたが、とても楽しんで観てくれました。以前『ヘレン・ケラー』も観ていただいており、また新たな出会いが果たせました。たくさんの搬出のお手伝いの先生や生徒さんたちに見送られ、「王子班」は群馬県までの長距離移動に向けて、学校を後にしました。
翌15日(木)は渋川市民会館で渋川青翠高校の生徒さんたちが観劇。この学校は、風創立間もない頃の『ハムレット』を観ていただいており(その頃は渋川西高校でした)、久しぶりの風公演をしっかり観てくれました。
うっとおしい雨が続いていますが、体調管理に気を配りながら、一回一回の出会いを大切に、芝居を創り続けていきたいと思っています。
★写真は鴬沢工業高校で、公演後の撤去作業を手伝ってくれた生徒さん、先生たちと!


『星の王子さま』早くも、3週間経過!
2006/06/11
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『星の王子さま』2006年春の旅、早くも3週間が経過しました。
幸いお天気にも恵まれて、雨に降られることもあまりなく、気持ちの良い気候の中での上演が多い毎日です。
今週末、鎌倉芸術館では、1000人を超える生徒さんたちの中での上演でした。

小さな空間の中でも、広く大きな空間であったとしても、生徒さん一人一人の心を揺り動かすことができるのだろうか?どんな気持ちを残すことができるのだろうか?そんなことを考えながら、旅に臨んでいます。
この3週間で、たくさんの生徒さんの真剣な眼差しに、たくさんのパワーとエネルギーをもらい、かけがえのない出会いを感じながら、一回一回を大切に演じてきました。

梅雨入りし、益々暑くなっていく日本列島ですが、雨も暑さも吹き飛ばす勢いで、王子さまたちは駆け巡ります。

これからまだまだ続く『王子』と生徒さんたちとの出会いを、どうぞご期待ください!


若い人たちの問いかけ
2006/06/11

『ヘレン・ケラー』の旅、2週目に入りました。
今週は、10年ぶりの演劇鑑賞となった高知県の明徳義塾中・高校、風の上演は初めての城東中学校(広島県)、出雲西高校と出雲商業高校の2日連続公演(島根県)、同じく島根県の情報科学高校と中・四国を巡っての5公演を行いました。
出雲西高校では終演後の座談会に出演者全員が参加する機会がありました。最近生徒さんからの質問で「人生で壁にぶつかったことがありますか?」「夢や目標があったら聞かせてください。」「若い人たちへのメッセージを!」など、人が生きるということの真実に触れたがっている問いかけが多いと感じています。
情報科学高校の代表の女子生徒さんが泣きながら語ってくれたお礼の言葉も印象的でした。「サリバン先生がヘレンに勉強だけでなく生きる喜びを掴んで欲しいと身体を張って伝えようとする姿に感動しました。私も学校で先生や友達からいろいろなことを学びたいと思いました。」
私たちが毎公演で出会う若い人たちは、生きる喜びやまだ見たことのない自分の可能性を求めています。『ヘレン・ケラーひびき合うものたち』の舞台も1回1回新たな可能性を求めて皆で創っていきたいと思います。


1年ぶりの旅立ち。『ヘレン・ケラー』旅公演スタート!
2006/06/08
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『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』旅班は、月夜野での稽古から和歌山県へ直行。5月29日、南部高校で初日を迎え、今週は島根大学附属中学校(島根県)、加悦谷高校(京都)と真夏日の続く体育館で、3ステージの公演を行いました。

旅のスタートに同行した芸術監督・浅野佳成は、「ヘレン・ケラーの叫びをそれぞれの役のなかで捉え、その情緒を核としながら、その日その場で起こる、客席も含めた出来事を大切にしていって欲しい」と、昨春から1年ぶりとなる『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の旅立ちに期待を持って、帰京しました。

インターンシップを経て、3月に劇団員となった若手らも旅に加わり、800ステージ近い公演を重ねてきた古手(?)もあらためて身を引き締める、旅の始まり。どんな出会いをつくっていけるか、ご期待ください!

写真は、高知県明徳義塾高校での公演終了後、撤去作業を手伝ってくれた生徒さんたちと。

◎ 旅の様子は、風ブログでも毎日お伝えしています。
<http://blog.goo.ne.jp/kaze-blog/>


旅班は一度東京に戻り、東北へ。
2006/06/05
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 5月30日、紫波第二中学校、第三中学校の合同公演が第三中学校の体育館で行われました。「2つの中学校が一緒になって、やっと芸術鑑賞ができる。数学では1+1=2だけれども、一緒に観ることによって10にも10倍以上にもなる。それは集団のチームワークです」と公演前に教頭先生のお話。食い入るようなまなざしがとても印象的で、公演が終わり、〈チームワーク〉という言葉が頭のなかをよぎっていきました。

 再び東京に戻り、次の日は都心にある青山学院中等部一年生の新入生歓迎の公演。元気いっぱいの一年生達でした。

 月は変わり6月、初夏とはいえ真夏並みの気温となった栃木・矢板市文化会館での公演。矢板市内の小学校1年生から中学校3年生までが、毎年この会館で鑑賞している。この『星の王子さま』は小学3年生から中学3年生までが見る。一日目の公演後、「この子たちよく観るでしょう」と微笑む館長さん。市町村合併が増え、自主事業がなくなった会館もこのところは増えているなかで、館長さんの笑顔は、蓄積された会館の実績でもある。
 『星の王子さま』は、文化庁企画・本物の舞台芸術体験事業でも小学校での公演は行なわれているが、10校近い学校が一緒に観ることはない。お互いのコミュニケーションがよくノリがいい。長い時間の鑑賞の中で、彼らのなかに『星の王子さま』がどんな思い出として残っていくのか、よみがえって来るだろうか。一回、一回が勝負だ。 

★写真は5月30日紫波第二中学校、第三中学校での公演後、バスが来るまで撤去を手伝ってくれた、2中のみなさん。


「星の王子さま」2006年春旅出発!
2006/05/27
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「星の王子さま」旅班は、5月22日レパートリーシアターKAZEを出発して、初日をむかえる栃木県・壬生高校へ。いよいよ2006年春のツアーが始まりました!

初日からの1週間は、栃木、千葉、山梨と関東地区での公演。旅公演が始まり改めて感じさせられたのは、生徒さんたちの視線がどこに向けられているのか。ということでした。高校生は、芝居の何を見ようとしているのか。

「技術の良し悪しを見ているのではなく、劇団が、俳優が、何を見せるかをしっかり見ている」。特にKAZEが1400ステージという公演を続けてきた「星の王子さま」は、童話の世界をそのまま持ってきたような舞台。シンプルな中に、高校生を揺り動かす何かがなければいけない。競りあいがなければいけない。という芸術監督・浅野の指摘を受けて始まった今回の旅です。

一回一回の舞台を大切に、そして旅班全体で「何を」生徒さんたちの前に提案していくのか、試される舞台をつくっていきたいと思っています。
旅はまだ始まったばかり。これからの出会いが楽しみです!

★写真は山梨県・山梨園芸高校の生徒さんたちと「星の王子さま」旅班。KAZEバスの前で。
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旅の様子は“風のBLOG”でもお伝えしています。
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