旅公演日記
旅公演日記2005秋
Touch~孤独から愛へ~
作:ライル・ケスラー●演出:浅野佳成/九州地方
| <キャスト> | |
|---|---|
| ハロルド: | 酒井宗親 |
| トリート: | 緒方一則 |
| フィリップ: | 柳瀬太一 |
星の王子さま Le Petit Prince
作:サン=テグジュペリ●演出:浅野佳成/東北、関東、信越、関西地方
| <キャスト> | |
|---|---|
| 王子: | 白根有子 |
| 飛行士: | 久保雅信 |
| ヘビ: | 栗山友彦 |
| キツネ: | 工藤順子 |
| 花: | 仲村三千代/柴崎美納 |
| 星の住人たち: | 田中賢一/田中悟/栗山友彦 |

『Touch』の旅もいよいよ後半を迎えました。
九州に来た頃(10月)の体育館の公演では、汗びっしょりになるほど暑かったのですが、この頃は朝夕も冷え込んでいます。けれど旅班一同、風邪もひかず元気にがんばっています!
毎日九州各地を公演していますが、今週は一日だけ佐賀県の公演で、あとは熊本県でした。
佐賀県の、葉隠れ発祥の地のすぐそばにある弘学館学園の体育館での公演では、中学一年生から高校2年生まで1000人近くの学生たちが芝居を楽しんでくれました。演劇を見るのは久しぶりとのことで、開演前から体育館をのぞきに来て「がんばってください。楽しみにしてます」と声をかけてくれる生徒さんたちも多く、公演への期待感のなか芝居が始まりました。カーテンコールでの生徒会長さんの言葉では、今日の公演の感動を堂々と私たちに伝えてくれて、一同嬉しかったです。この作品がもつ人と人とのふれあいの大切さや、人間同士が元気づけ合いながら成長していく姿をしっかり受けとってくれました。後片づけに自主的に参加してくれた大勢のみなさん、ありがとうございます。寮のお風呂は間に合いましたか?
熊本県の鹿本高校での公演は吹奏楽部・写真部・演劇部・図書部のみなさん、大変お世話になりました。
みんな元気いっぱいで、公演後のみなさんとの交流も思い出ぶかい時間となりました。体育館の公演は生徒さんたちとの交流や一体感が、いっそう身近に感じられ、私たちにも元気を与えてくれます。
熊本工業高校や小川工業高校では、終演後、熊本市民会館や小川町総合文化センターの楽屋に、たくさんの生徒さんたちが訪ねてくれました。一言、あるいは声をかけられなくても、今日の日の演劇鑑賞会の出会いを喜んでくれたのだと思います。
携帯電話やインターネットが普及し、便利になりました。中学生や高校生たちを取り巻く状況も変化していますが、演劇がもっている人間同士のコミュニケーションのおもしろさや大切さを、客席に伝え、共に考えていける学校公演を創りたいと思っています。
まだまだ公演は続きます。
★ 写真は熊本県・鹿本高校にて、終演後お手伝いしてくれた生徒さん

11月7日、心配された雨も上がり、佐賀清和中学・高校体育館での公演。前日の仕込みから演劇部、放送部の生徒たちが大いに手伝ってくれました。
佐賀清和中学・高校では『Touch』は3回目の公演となります。担当の田川先生は、バラシ(後片付け)を手伝ってくれる生徒たちをながめながら、「この芝居は、私が生徒との向き合い方を考える時に、いつも節目に見ているんです。」と静かに語ってくれました。「4回目もやりますから」と熱っぽく言ってくださったのは、うれしいかぎりです。
11月8日、鹿児島県・武岡台高校では、終演後に100人を超える生徒たちが自主的にバラシを手伝ってくれました。遅くまでかかったバラシに最後までつきあってくれてありがとうございました。
11月9日、宮崎県・西都市民会館で午前/西都商業高校、午後/妻高校の公演です。この『Touch』の長いツアーもいよいよ中日をむかえました。
終演後に舞台に寄ってきて「おととし『ヘレン・ケラー』を見て、今日また風の『Touch』を見て、なんだか元気が出ました。」とだけ言って去っていった生徒になんだかうれしくなってしまいました。
1日おいて11月11日、福岡県・香椎高校は福岡市民会館での公演です。私事ですが、この学校には僕の高校時代の同級生がいました。思わぬ再会でした。
生徒たちの客席からの声に耳をすましながら、自分たちのやってきたことの内容をあらためて考えさせる一週間でした。
さまざまな出会い、さらなる出会いを重ねながら『Touch』の旅は後半へと入ります。
★写真は佐賀清和中・高校の公演で担当の田川先生、演劇部の皆さんと出演者の3人。

今年3月に劇団に入った僕にとって初めての旅公演。不安と緊張と嬉しさが入り混じったなかで始まった旅も1ヶ月が経ち、いよいよ僕たちが「文化庁公演」と呼んでいる「文化庁本物の芸術体験事業」による公演がスタートしました。通常の学校公演と大きく違う点は2つ。小学校での公演が多いということ、そして児童・生徒・先生も僕たちと一緒に舞台に参加するということです。
僕が衝撃と感動を受けたのは「王子さま世代」である小学生との交流。
以下は舞台見学での一コマです。
(照明を吊ってある体育館の天井を指差す小学生)
「どうやってあれつけたのー」
「魚を釣るようにして竿で天井にロープをかけるんだよ」
「なんで?魚は空じゃなくて海にいるんだよ。飛行機釣るの?」
「そうだね。飛行機釣るみたいにやるんだ」
「そしたら飛行機乗ってる人、死んじゃうじゃない。かわいそう」
公演中も客席からはダイレクトに様々な反応が返ってきます。観客との一体感を嬉しいほどに感じる文化庁公演。子供たちのまっすぐな眼差しと感性を受けとめ、自分たちの足元を何度も何度も見つめ直しながら、出会いの旅はまだまだ続きます。
☆写真は、11月8日山梨県・昭和町立常永小学校。午前中行われた舞台見学で、オペレーター坂野貢さんの説明のもと、照明の操作を体験する児童の皆さん。

あっという間に10月が過ぎました。
10月31日は、神奈川県の鎌倉芸術館で富士見が丘高校の公演。富士見が丘高校では、毎年PTAの方々と、学校が協力して生徒さんたちに見せる作品を決めているとのことです。当日の終演後に行なわれたPTAのみなさんと先生方の打ち上げ、兼反省会に私も出席させていただきました。
「日頃ファーストフードでぱぱっと済ませてしまう食事を、ゆっくり、じっくり噛みしめて食事をしたような感じ。子供たちの日常とは違った時間を味わえたような気がします。」と話してくれたのは、高校生の娘さんを持つお母さん。
また、「ぼく達は、どんな作品を選んでいいのかわからないんですよ。」と苦笑する男性の先生方は「いつも子供たちは、こんなにしっかりと“言葉”を聞く機会がないですよね。ひとつひとつの言葉をしっかり聞いていましたね。」と話してくれました。毎日、生徒さんと顔をあわせている、先生、そしてお母さんたち。芝居を通して日常ではなかなか受けとれきれない情報を、生徒さんたちに発見してほしいという、願いに触れたような気がしました。
富士見が丘高校での公演後、旅班は宮城県へ。大崎中央高校、松島高校、常盤木学園と県内3校の公演を続けました。
「星の王子さま」旅班は来週から、いよいよ「文化庁本物の舞台芸術体験事業」生徒さん参加型の公演に入ります。ひとつの公演をつくるために力を尽くしてくれているたくさんの人たちの想いを忘れずに、旅を続けていきたいと思います。
☆11月4日、常盤木学園の公演では終演後バレー部、演劇部、有志のみなさんに撤去作業をお手伝いいただきました!ありがとうございました。
写真は撤去作業終了後、お手伝いしてくれた生徒さんたちと。

『星の王子さま」の旅は中盤を迎え、旅のペースができてきています。
今週は24日の岩手県から始まり、福島、新潟、福島、山形と公演をしてきました。
10月25日の磐城農業高校では生徒会の生徒さん、そして26日新潟清心女子高校では演劇部の生徒さんが舞台を作るところから手伝ってくれる機会が何度かあり、本番だけでなく舞台ができるところから撤収するまでの公演の一日の流れを共有でき、舞台を成功させるためにお互いに協力し合ったいい公演ができました。
手伝ってくれた皆さん、ありがとうございます。
☆写真は、10月24日岩手県・岩泉高校の生徒さんたちと旅のメンバー。