旅公演日記

旅公演日記2005秋

Touch~孤独から愛へ~

作:ライル・ケスラー●演出:浅野佳成/九州地方

<キャスト>
ハロルド: 酒井宗親
トリート: 緒方一則
フィリップ: 柳瀬太一

星の王子さま Le Petit Prince

作:サン=テグジュペリ●演出:浅野佳成/東北、関東、信越、関西地方

<キャスト>
王子: 白根有子
飛行士: 久保雅信
ヘビ: 栗山友彦
キツネ: 工藤順子
花: 仲村三千代/柴崎美納
星の住人たち: 田中賢一/田中悟/栗山友彦

文化庁公演 2週目。
2005/12/19
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文化庁「本物の芸術体験事業」参加型公演は2週目に入りました。
小学校での公演が多い16年度ですが、この週は小学校から、中学校(今旅唯一のブラスバンドの参加あり)、そして高校と3つの違った世代の観客の前での公演となりました。
文化庁公演では通常半年程前に、劇団が学校を訪れワークショップを行ないます。
学校に“参加”として提案されるのは、
①王子がクライマックス自分の星に帰るときに歌う「僕は行く」を一緒に歌う。
②王子が地球から姿を消した時の飛行士の台詞「おーい、おーい、どこへ行ってしまったんだよ」という台詞を皆で叫ぶ。
③劇中、王子と飛行士が歌う歌「僕の旅は続く」の歌を、卒業を控えた最上級生と舞台で一緒に歌う。
④星めぐりの場面の“呑み助”“地理学者”という2つの特色ある役を先生に演じてもらう。
⑤ブラスバンドがある学校では「僕は行く」「光と影」の2つの歌を演奏してもらう。というのが主な参加の形態です。
ワークショップから約半年。学校では様々な形で、練習が繰り返され、先生と学校が協力し合い本番に向かいます。時には美術の時間に児童・生徒たちに「星の王子さま」の絵を書いてもらったり、ポスターをつくったりして、その学校ならではの取り組みも生まれます。
そして本番。
11月10日千葉の秋津小学校には、この公演を主催し、指導してきた文化庁の方々が、忙しい中見に来てくださいました。「いま、何に、どんな価値に小学生から高校生含めた若い世代の人達に触れて貰いたいのか。」模索を続ける文化庁の方々の姿がありました。
児童、生徒、学校、劇団、そして文化庁。一体となってつくる公演のおもしろさが、この公演の特色。
きっと世界中で大ベストセラーとなっている「星の王子さま」という作品が、支えてくれた人たちの姿とともに、児童・生徒さんたちに思いおこされる日がくるという期待を胸に、旅はいよいよ終盤を迎えます。
★写真:「僕の旅は続く」の参加。


白根有子
雪の九州
2005/12/18

20年ぶりの寒波が襲ってきた中、今週の公演はスタートしました。
 
月曜日は福岡県の田川文化センターにて福智高校の公演です。
吹雪の中、学校から移動で生徒さんたちはとても寒そうでしたが、芝居が始まると視線は舞台に真直ぐ向けられ、生徒さん一人一人がそれぞれ何かを感じ取ってくれているようでした。
その日はそのまま、雪が降りしきる中、峠を越えて、同じ県内の浮羽工業高校へ移動、二階体育館へ搬入です。
そこで待ち構えてくれていたのが剣道部。絶大なる力を発揮し、瞬く間に搬入は終了。仲間同士、気遣いながら、寒い中、夜遅くまで頑張ってくれた姿に、感謝と感動を覚えました。
そして、翌日の本番。『「TOUCH」上演史上三本の指に入る寒さだった』(柳瀬談)が、そんなことはものともせず、最後まで、舞台と向き合っていた生徒さんは印象的でした。
芝居が終わると、環境デザイン科の生徒さんと、部長呼びかけのもと有志で集まってくれた演劇部の皆さんが手伝ってくれました。
しばらくして、環境デザイン科の生徒さんたちが下校の時間となり、ガクッと人数が減ったところに再び登場したのが剣道部。それに加え、バスケ部の皆さんも。大変心強かったです。
水曜日は、熊本県は、天草工業高校の公演で、本渡市民センターで行なわれました。集中している中にもノリの在る客席で、カーテンコールでは生徒会長さんからとても丁寧な謝辞を戴きました。
木曜日は、鹿児島市に移動し、鹿児島女子高校の公演。
朝から、演劇部の皆さんが搬入を手伝ってくれました。凍えるような寒さの中、正座をしての鑑賞は大変だったと思いますが、本当に細かい部分まで受け取っての反応には驚きと新鮮さを感じました。
さて、後片付けではバスケ部をはじめとする体育館を使う生徒さんたちが手伝ってくれました。とても礼儀正しく爽やかな生徒さんたちでした。
「二年後にもまた来て下さいね。」と言われたのは、とても嬉しかったです。
金曜日。鹿児島県文化センターにて、鹿児島工業高校です。客席の明かりが暗くなり、いよいよ開演が迫ると待ちわびていた生徒さんたちの歓声がわき起こり、芝居が始まりました。その歓声は開演と同時に集中力と変わり、うねりの在る空間を作り上げました。
そして、カーテンコールではその盛り上がりが爆発し、出演者3人に大歓声が送られました。
 
今週は、
本物に触れたい、知りたいという生徒さんたちの欲求と、
本物に触れ、本物を見て欲しいという先生方の想いを
改めて感じる1週間でした。
残すところ2ステージ。最後まで本物にこだわり通して行きます。


仲村 三千代・長谷川 敬久
12月に入りました。
2005/12/14
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12 月6日は福岡県の柳川市民会館にて、柳川高校の皆さんが観劇。この学校での「Touch」の上演は今回が3度目となります。他に「ヘレン・ケラーひびき合うものたち」そして「星の王子さま」の上演もあり、5回目の風の上演となりました。食い入るような眼差しで、舞台を見つめる客席が印象的でした。公演を成立させるために何かとご尽力下さった先生のご苦労に感謝!
翌7日は、大分県の佐伯豊南高校の体育館での上演。早朝の搬入にもかかわらず、演劇部と野球部の元気な生徒さんたちが大勢駆けつけてくれました。おかげさまで早い早い!あっという間の出来事でした。ここのところ仕込みの方もチームワーク良く、スピーディーになってきているので、本番までの時間をたっぷり取れるようになっています。本番後の搬出作業にも、演劇部と野球部を中心にたくさんの生徒さんたちがお手伝いに来てくれました。芝居を見た後の興奮からか、朝よりももっと元気一杯で出演者やスタッフを囲んで質問ぜめのシーンが体育館のあちこちで見られました。
一日置いて9日、同じく大分県の津久見高校。こちらも体育館での上演でした。ずいぶん寒くなってきて、本番中の体育館も冷え込んできましたが、生徒さんたちの集中力はとぎれずに、舞台に見入ってくれていることを実感した公演でした。搬出の手伝いに来てくれた機械科の生徒さんたち、ありがとう。たくさん元気をもらいました。

★写真は大分県・佐伯豊南高校の野球部の皆さん。片づけの場でもすばらしいチームワークでした。


酒井宗親
中学校の公演
2005/12/14
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11月最後の一週間は、鹿児島県内の中学校の体育館公演が続きました。4回の公演を終えての印象は、まず生徒たちが人に対してとても強い興味を持っていたこと。そして先生方が協力し合って行事のために力を貸して下さったことです。
11月28日、鹿児島市の福平中学校では、坂道の大道具搬入から一日が始まりました。けっこう大変だなあ、と思っていると、「おはようございまーす!」「何をお手伝いしたらいいですかー!?」と元気な生徒さんたちが現れました。担当の先生のクラスの子達が応援に駆けつけてくれたのです。はしゃぎながら荷物を運ぶ生徒たちの列に混じって劇団員もはりきっていました。片づけを手伝ってくれたサッカー部の皆さんもありがとうございました。
29日の姶良町立重富中学校では、公演の準備中から生徒さんたちが休み時間の度に体育館を覗きに来ていました。楽しみにしている生徒たちを見ながら担当の先生と演劇部の先生が「生徒たちに本物を見せてあげたいんです。」と期待の言葉をかけてくれました。この2日間とも入場口のすぐそばに楽屋があったので、終演後は窓の外から生徒たちが出演者に声をかけたり手を振ったり・・・興味津々の眼差しに囲まれ、役者の3人は少し照れながら応えていました。
30日に公演をした鹿児島市立東谷山中学校は、劇団の11tトラックが体育館まで入れないため、前日の夜に大道具を搬入しました。担当の“松ちゃん”先生よりホームページの掲示板に書き込みをいただきましたが、20人ほどの先生方が夜遅くまで荷物運びを手伝ってくれました。翌日の公演は900人の生徒で満席。肩を寄せ合って一生懸命に舞台を見ている生徒たち、思わず大笑いしてしまう生徒たちの様子を見て、劇団員も先生もともに喜びのある公演となりました。
いよいよ12月に入り、2日に漁港と温泉の町・阿久根の阿久根中学校で公演がありました。公演後には自主的に片づけを手伝いたいという生徒さんが集まってくれました。女子生徒さんのグループが最後まで話しをしながら手伝ってくれて、楽しかったですね。ありがとう。
週末は九州でも雪が降り、これからいよいよ寒くなってきます。ますます元気にいきましょう!

★写真は鹿児島県の阿久根中学校の体育館で、出演者の3人と生徒さんたち。


稲葉礼恵
体育館と劇場
2005/12/04
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今回の旅公演中、3度目にして最後の“1日2回公演”となった11月21日の宮崎日大中学・高校の公演。年々少子化が進む中、2回公演は少なくなっているが、今回は各回約800人の生徒が観劇した。その800人という人数にもかかわらず、開場時間から10分足らずで着席が完了してしまう。そうなると客席の緊張感、期待感が薄まらないうちにと開演を早める。客席の反応は上々、体育館公演ならではの舞台と客席の一体感を味わってもらった。
終演後、舞台前に来て舞台装置や小道具を興味深く覗き込んでいく生徒は多い。客席でも女子生徒が多かったが、片付けの手伝いも女生徒がリードしていた。その女子たちに男子が「○○さん、がんばって」と声をかけたり、手を貸してあげたり。舞台成功の実感はそんな雰囲気からも得られる。
手伝って下さった先生、生徒の皆さんに見送られて学校を去る時、劇団員たちは次の公演へのエネルギーを持ち帰る。
(清水菜穂子)
 
22日は福岡県の海沿いにある町、福津市津屋崎にあるカメリアホールでの福岡水産高校の公演でした。
旅公演も終盤に向かい大道具のいたみ具合が目立つようになってきました。朝、カメリアホールで大道具の搬入をしていると、舞台の両脇に立つコンクリートの柱を模したパネル《通称砂パネル》の骨材が折れてしまいました。急遽、ヌキ板(以前舞台の床板として使っていたもの)を利用して応急修理しました。
『Touch』は役者の動きも激しいためか家具なども壊れやすく、修理が欠かせません。ハロルドが誘拐されたときなどに座るイスは、もしもの時のために似たデザインのものを探し、予備としてストックしました。ソファもだいぶがたがきているので気をつけなければ・・・。
そんな心配とは別に公演はテンポが良くなってきているのを感じました。
開演前からとても元気だった水産高校の生徒さんたちですが、しだいに舞台に集中していく様子が感じられました。
公演を楽しみにしている学校の皆さんのためにも、毎回最高の舞台装置を組むようにしたいと思っています。
(佐田剛久)
 
★写真は宮崎日大中・高校の後片づけで生徒さんたちに説明をする清水(左端)と舞台監督の長谷川(右端)。


清水菜穂子/佐田剛久