旅公演日記
旅公演日記2002春
星の王子さま Le Petit Prince
関西・中国・四国地方ほか
| <キャスト> | |
|---|---|
| 王子: | 東珠実 |
| 飛行士: | 緒方一則 |
| ヘビ: | 酒井宗親 |
| キツネ: | 工藤順子 |
| 花: | 仲村三千代 |
| 星の住人たち: | 加藤泰斗 |
ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち~
関東・東北地方ほか
| <キャスト> | |
|---|---|
| ヘレン・ケラー: | 白根有子 |
| アニー・サリバン: | 柴崎美納 |
| アーサー・ケラー: | 高田三悟 |
| ケート・ケラー: | 斎藤清美 |
| ジェイムス・ケラー: | 栗山友彦 |
| アナグノス: | 坂牧明 |
| ビニー: | 清水菜穂子 |
| パーシー: | 稲葉礼恵 |
6月6日、栃木県の壬生中央公民館で壬生高校、7日は東京都小平市の市民文化会館で小平南高校の公演をする。
午前中に舞台の仕込みをおえて、いよいよ開場。開場は、開演の30分前。壬生高校、小平南高校ともに開演を待つ生徒さんたちの元気な声が聞こえてきて、舞台袖にいる僕たちにも、自然と気合いが入った。
僕たちは、演劇教室で様々な学校で公演するのだが、開演前に先生方がよくお話されるなかに、「芝居は、客席にいる観客と、舞台で演じる側とが、一緒につくるものです。」という言葉がある。全校生徒を前にしてお話しされる先生のその言葉には、学校行事である演劇教室を行うなかで、ひとりひとりの生徒が、その日の演劇教室に少しでも積極的に参加し、芝居というものにふれることの出来る貴重な時間にしてほしいという生徒への思いが感じられる。
旅公演でたくさんの学校にいくと、開演前の様子はそれぞれの学校によって違う。壬生高校や小平南高校のように、とても元気のあることが感じられる生徒さんたちとも数多く出会ってきた。なかには、芝居が始まると真剣に観る生徒さんもたくさんいる。時には沈黙があったり、時には拍手がおこったり。生徒さんたちの観劇の仕方にも様々なものがある。
でも、先生の思いでもあり、また僕たちの思いでもある「芝居を一緒につくる」と言うことを考えたときに、本当に大事なのは、静かだとかおとなしく観るとか、よく笑うとか、拍手が起きるなどではなく、観客と舞台がお互いを感じて、また感じることでお互いの間に何かが起きていて、それぞれの人が芝居創りに参加しているということを実感することではないだろうか。
壬生高校、小平南高校の公演で、芝居にふれることの出来た生徒さんが一人でも多くいてくれたらとおもう。

★淡路高校は八年前、『Touh』の公演でおせわになった。あれから震災があり、学校も先生方も大変だったそうだ。今回の星の王子さまは震災をくぐりぬけた淡路高校体育館での上演だ。朝7時からの仕込みだが、連日晴天の続く関西地方は今日もすごく暑い!開演後の館内の温度を気にしながらスタッフは舞台づくりと会場の環境作りに細かく神経を砕いていく。
午後になっても日は陰らず暑さの中での公演となったが、生徒たちはとてもよく見てくれた。終演後、すぐに書いた感想文を二クラス分ほど見せてもらったが、はじめて見る舞台に対する新鮮な感想や思わず笑ってしまう一言に、彼らにとってこの作品が今後大切なモノとして残ってくれればいいと思う。
体育館では有志の男子生徒たちが、舞台の撤去を手伝ってくれた。バスの時間などで途中で帰った生徒もいたが、最後の最後まで一緒に作業した、山岡君、山田君、近藤君、ありがとう!(写真は王子役の東と並ぶ、山岡君)
★井原高校の公演を見るために、演出の浅野がやってきた。『ヘレン・ケラー』の初日を見て岩手県葛巻町からの大移動だ。
食い入るように見入る生徒たちを、舞台上で受け止めそこから僕らが何を創っていくのか。一瞬一瞬が試される。
★たまには観光もどきの時間を味わうこともある。次の公演場所桜井市は、西名阪道法隆寺インターで下りる。このあたりには詳しい浅野の案内で、旅班一同イソイソと法隆寺参り。つかの間のひと時、日本の歴史に思いを馳せる!★とてもノリの良いフランクな場となった桜井高校の公演。星めぐりのシーン、うぬぼれ屋の星の場面では、王子と一緒になって拍手を送ってくれた。座談会には20名ほどの演劇部員が参加してくれたが、王子がたくさんの人に会って成長していく姿が、いじらしかったり可愛かったり感じられて、そこからこの作品世界をもっと知りたいと思ってもらえたようだと、出席した東から聞く。東京を出発して2週間、僕らの『星の王子さま』はどこへ向かうのか。一回一回の舞台の中で「風」の質を作り出したいと思う。
次は・・・・・お待たせしました! 「風」の音響マン、橘川順之、その人です!!

6月4日の米山高校体育館の仕込みの日、仕込みが15:00~だったため旅班は少し休養ができました。その日宿泊した宮城県迫町(はさまちょう)の宿から歩いて10分ほどの所に「白鳥を発見した!!」との連絡。スタッフもキャストもなぜかそう出で白鳥を観にいきました。
白鳥がいたのは、(私たちは近くにいながら知らなかっただけなのですが)実は宮城県迫町の北部に位置する《伊豆沼・内沼》という、渡り鳥の飛来地として知られ、原生の自然をとどめていることで有名な淡水の湖沼。主に飛来するのは、マガンやコハクチョウで9月頃シベリアを飛び立ち、伊豆沼で冬を越して3月頃からまた故郷シベリアを目指して帰っていきます。この時期私たちが会った白鳥たちは故郷に飛び立てなかった鳥たちだったようです。そんなことも話しながら、仕込みの前のちょっとした休息は過ぎていくのでした。
★写真は、『ヘレン・ケラー』舞台監督・山根さん撮影の白鳥ベストショットです!

6月5日、旅の2日目は宮城県米山高校。体育館公演。旅のペースが定まってくると、体育館公演でも通常は朝の7時か8時からの仕込となる。けれどまだ旅の始まり。念のため前日の4日にも2時間ほどの仕込をとり、40人ほどの生徒さんが搬入を手伝ってくれた。
風の体育館公演ではフロア面に仮設舞台を組むので、既存のステージ部分は使わない。米山高校公演では、この既存ステージを楽屋として使用する。もちろん設備的に整っているとはいえないけれど、私は昔からこのステージ楽屋というのが好きだ。搬入が終わってまだ雑然とした体育館に、照明や幕のためのロープが吊るされていき、舞台が少しづつ形をなしていく様子を、ステージ上の楽屋から見守りつつ、衣装のアイロンをかけたりと楽屋の準備をすすめていく。時々覗きに来る生徒たちとあいさつを交わし、どんな学校だろうか、どんな客席だろうかと、あれこれと想像を巡らす時間でもある(写真は楽屋からみた仕込み風景)。明日は生徒と先生、保護者を含めても300人弱。きっと一番後ろの生徒が、首を伸ばしたり曲げたりするのまで、舞台上から見えるに違いない。
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搬出では、またまた生徒たちがお手伝い。最初は照れたりしながらも、少しづつ話が生まれる。座談会よりも少し砕けた感じで話せるのが撤去の時間。今日の質問は「やっぱりアニーさんは、校長先生を好きだったんですか?」とか「ヘレンさんは何歳ですか?小学生かと思った。」とか。他に演劇をしたいという生徒から、劇団について聞かれる。演劇の道に進みたい子に限らず、進路の事はよく話題になる。短い一日の中でできることは少ないけど、観てくれたひとり一人が何か自分自身を発見してくれる時間がつくれたならと願って、明日は栃木に向かう旅班です。

6月3日、岩手県の葛巻高校体育館で葛巻高校、葛巻中学校、江刈中学校、小屋瀬中学校の中高4校の合同芸術鑑賞教室として『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』が上演され、旅班は初日をむかえました。葛巻高校、葛巻中学校では以前『星の王子さま』も上演しています。
初日から体育館での公演。旅のメンバーもいい緊張感を持って公演に迎えました。
葛巻では、5年程前から中高一環の芸術鑑賞行事を行なっていて、落語なども鑑賞しているとのこと。終演後お話を伺った校長先生からは
「奇跡の人とは誰をさして言うのか、サリバン先生といわれがちなところを、風が2人の出会いをさしていっている所がとても興味深かった。生徒だけではなく、教師に訴えかける言葉が劇の中にはたくさんありましたね。触れるという言葉を《タッチ》と使っていたのがよかった。」
と感想ををいただきました。
終演後の座談会では、各校の生徒たちが参加し、お互いに照れたり緊張したりしながら劇団に対する質問がありました。
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写真は、公演後体育館の撤去を手伝ってくれた吹奏楽部の皆さんとの撤去の様子です。
吹奏楽部の生徒の中には、葛巻中学校の時に文化庁参加型の『星の王子さま』で一緒に王子のソングを演奏したという生徒もいて、一緒に撤去しながら話をすることができました。